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大道 英樹; 荒木 邦夫
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 16(1), p.179 - 187, 1978/01
第4開発室で研究を進めていたポリエチレンのスラリー照射に関して、その特徴を明らかにするために基礎的実験を行なった。酸によって幹ポリマーを分解し枝を分離することが可能なポリイソブチレンオキサイドをメタノール中で照射し、スチレンをグラフトした。ESRスペクトルの測定により、空気共存下のメタノール中で照射したポリイソブチレンオキサイドからは、真空中照射によって生じるアルキルラジカルと同一のものが生じることを見出した。反応前および反応中のラジカル量をESRスペクトルから求めたところ、ラジカル量は照射中のメタノールの存否によらないことがわかった。一方グラフト率および主鎖を分解して得たグラフト鎖の分子量は照射中にメタノールが存在すると大きく低下した。この現象を理解するため反応の速度論的解析を行なったところ、照射中のメタノールの存在は開始反応に使われるラジカル量および生長反応の速度定数には影響を及ぼさず、連鎖移動および停止反応の速度反応の速度定数を大きくすることがわかった。
大道 英樹; 荒木 邦夫
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 14(11), p.2773 - 2783, 1976/11
第四開発室で行なっているスラリー状態での放射線グラフト重合に関連して、溶媒中でのグラフト重合の速度論的考察を行なった。ポリマーとしてはグラフト鎖を単離することができるポリイソブチレンオキサイドを選び、電子線で前照射してスチレンをグラフトした。グラフト率,グラフト鎖の分子量共、スチレン単独で一番大きく、次いでスチレン・メタノール系、スチレン・ベンゼン系であった。この順序はポリマー中のスチレン量だけでは説明できなかったので、速度論的考察により各素反応の速度定数を求め、三つの系についてそれらを比較した。その結果、開始速度,成長速度定数には溶媒による差が顕著でなかったのに対し、グラフト率,グラフト鎖分子量がともに小さくなるスチレン・ベンゼン系では停止反応速度定数が他の系に比べて極端に小さくなっていることがわかった。またスチレンの単独重合と比較するとkp/ktの値が10~10倍になっており、グラフト重合では生長鎖の動きが抑えられていた。
大道 英樹; 荒木 邦夫; 高橋 太*; 安川 民男*; 村上 謙吉*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 14(10), p.2365 - 2375, 1976/10
我々は先にポリエチレンに対するグラフト重合反応により生成したグラフト鎖の鎖長,鎖数を計算によって求める方法を開発し報告したが、グラフト鎖分子量の実測値と計算値との比較ができなかったため、この方法の妥当性をチェックできなかった。そこで本報告では、ポリエチレンと同様にグラフトすることができ、しかも分解可能なポリマーとしてポリイソブチレンオキサイドを選び、グラフト反応を行なった。照射により生じたラジカルの原子スピン共鳴スペクトルの測定から、真空中照射ではアルキルラジカルのみが、また空気中照射ではアルキルラジカルとパーオキシラジカルが2対3の割合で生じることを明らかにした。この照射サンプルを用いてスチレンをグラフトし、反応時に溶媒を共存させたときのグラフト率の変化を調べた。また反応中のラジカルを臭素標識して、その放射化分析から反応に使われたラジカル数を求め、生長速度,平均寿命を計算した。これを基に分子量を計算すると実測値と極めてよく一致した。